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短時間でも働ける?特例給付金制度の実態とは?

2022/04/01 コラム

2020年4月1日より、「特例給付金」制度が創設されました。 これには身体的負担、精神的負担等、様々な事情でフルタイム勤務が困難な障害者に対し、雇用機会を確保する目的があります。

特例給付金とは?

では、特例給付金とはいったい何なのでしょうか? 特例給付金とは、雇用されている障害者本人にではなく、雇用している事業者に支給されるものです。
週10時間以上週20時間未満の間で勤務している障害者の数に応じて、事業者に支給されます。
「短時間でなら働くことができる」といった障害者が、事業者に雇用されやすくなるといった仕組みです。

週20時間未満で勤務している障害者は1割弱

では、実際に週20時間未満で働いている方はどのくらいいるのでしょうか?

出典:厚生労働省【平成 30 年度障害者雇用実態調査結果】

平成30年厚生労働省の調査では、働いている障害者のうち20時間未満で勤務している方は1割弱しかいません。 一方、半数以上が週30時間以上の勤務を行っていることが分かっています。

事業者は週30時間以上働ける障害者を求めている

週20時間未満の短時間勤務をしている障害者の割合は、1割程度と少ないことがわかりました。
これには理由があります。

一定数の労働者を抱えている事業者には障害者を雇用する義務があります。 その際、障害者をどのくらいの割合で雇う必要があるかを定めたものを「法定雇用率」といいます。
ここで注意ですが、障害者を1人雇用していたとしても、無条件に「1人雇用している」とカウントされるわけではないのです。

上記の表のように、週30時間以上勤務する障害者は1人としてカウントされ、週20時間未満勤務する障害者は0人とカウントされます。
分かりやすくいえば、特例給付金の対象となる週10時間~20時間の短時間労働の障害者を雇用していたとしても、法定雇用率を基準にすると1人も障害者を雇用していないとみなされてしまうのです。

事業者は当然、法定雇用率に1人とカウントされる障害者を雇用したいと考えます。
そのため、現状として短時間勤務での求人はほとんど見当たりません。

現在、短時間勤務での雇用を希望している障害者は、障害者雇用という枠組みでなく、就労継続支援事業所A型や就労継続支援事業所B型などでの就労を選択している傾向にあります。
また一般企業での雇用を希望している方は、就労移行支援事業所などで職業体験や訓練、職探しの相談を行っています。
現在の自分がどれくらいの時間働くことができるのか、自分に合った働き方は何なのか、まずは就労継続支援事業所や就労移行支援事業所で試してみることをおすすめします。

特例給付金制度は始まって間もないため、今後もっと短時間労働の障害者雇用が増えることを期待したいですね。

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